iDEA×ORIGINAL

オリジナリティー溢れるダークな色調のインテリアが豊かな時間を演出

浴室を二階に配置するなど一日の時系列の動線を大事にした家族のくつろぎ空間

片流れ屋根のスクエアなフォルム、濃紺の壁が印象的なK様邸は、あえて塗り跡を残した外壁と木の質感が絶妙に組み合わされた味わいある仕上がりです。「以前の住まいは賃貸の戸建てで、掃き出し窓がたくさんありましたが夫婦揃ってカーテンが好きではなくて、せっかくの窓にレースのカーテンを下げるのが嫌でした」というご主人。新居の窓にはすりガラスをあしらい、数や大きさも制限しながら最低限の採光を取り入れられるよう配慮されました。間取りでこだわったのは、1日の行動を時系列で考えた時、例えば朝起きてから就寝までの動線を考慮して、収納や水廻りを配置すること。浴室を寝室のある二階にする、洗面所は2人並んで使えるようにする、リビングに吹き抜けと階段が欲しい…といった具体的な要望が、しっかりと実現されています。シンプルながら、既存の住宅と一線を画したオリジナリティー溢れる住まいが完成しました。「白をあまり使わない重厚感のある内装にしたいという希望がありました。室内を濃いブラウンやグレーなど暗めの色調にして、照明で雰囲気を作りたかったんです」と話すご夫婦。
奥様が素材感を気に入り、直感的に選んだというキッチン背面のタイルは、間接照明を当てると立体的に浮かび上がり、光の当たり具合で微妙に風合いが変化します。木の質感を活かした対面式カウンターでお酒のグラスを傾ければ、バーを訪れたかのよう。家庭にいながら非日常なくつろぎを演出します。同時にご家族の絆を大切にできる団らんの場でもあります。リビングの階段下スペースにはミニデスク2台を設置。ご夫婦がパソコンを使えるよう背中合わせで配され、2人のお子様の成長に合わせリビングの一画でスタディーコーナーとして使えるよう、秘密基地風にしつらえました。さらにクロスを額装して壁に掛けたのは、アートを飾ることが好きな奥様のアイデア。インテリアの斬新なアクセントとなっています。使うのが楽しくなりそうな広々とした洗面所は、奥様が悩み抜いてタイルのパターンを選び、丸鏡の周囲にタイルを1枚1枚カットして貼り込んだ造作が見事です。クローゼットやパントリー、トイレ、玄関、シューズインクロークなど湿気が気になる部分は壁や天井を漆喰塗りとし、調湿効果と消臭効果で快適にすごせます。
映画を観るのが好きだというご夫婦の団らんのひとときのために調光機能を備えた灯りとそのスイッチにもこだわりました。「もともとインテリアをダー浴室を二階に配置するなど一日の時系列の動線を大事にした家族のくつろぎ空間クな色調にして、むしろ室内に白い壁はなくていいと考えていましたが、建築会社さんの得意な漆喰の塗り壁の良さを知って、湿気の多い場所などで一部、取り入れました」と話すご主人。また「子どもが小さいから、どうしても家で過ごす時間が長くなる。その時間をおしゃれな雰囲気のある豊かなものにしたかったんです」という奥様の思いが具現化された住空間は、光と陰影でくつろぎを演出しながら、家族の快適さと温もりをしっかりと育んでいます。

PATIO×MODERN

家族団らんの場、パティオを中心としたシンプルモダンな住まい

念願だった家族水入らずのバーベキューを実現する白いパティオ
プライバシーもしっかりと確保

 

ご主人の転職に伴ってスタートしたS様ご夫婦の住まいづくり。当初は対象外だったこの地は、すまいポート21の紹介で知りました。最寄り駅まで徒歩で10分とかからない距離。目の前にはコンビニエンスストア。少し足を延ばすとドラッグストアや100円ショップ。車を使えば巨大なショッピングモールまでわずか数分という買い物のしやすさ。「ここまでの利便性は期待していませんでした」というご家族の楽しみは、近隣のスーパーで手に入る新鮮な魚介類です。住まいづくりを始める直前まで、仕事の関係でご主人は被災地支援のため宮城県石巻市へ。奥様とお子様とともに暮らした現地での食卓は、ふんだんな海の幸に恵まれていたのでした。スーパーで入手したフレッシュな食材を自宅のパティオ(中庭)へ持ち込み、バーベキューで味わう楽しみは最高のリフレッシュといいます。
S様ご夫婦が住まいづくりにあたって最もこだわったのは、この「バーベキューのできる家」でした。それを実現したのが、ご近所の目から完全に遮断されながらも明るく閉塞感を覚えさせないパティオ。広々としたリビングだけでなく、隣の和室から二階の廊下や寝室、奥様の個室からも大きな窓越しに目を楽しませてくれます。
お住まいのコンセプトは「シンプルモダン」。白を基調に、アクセントに黒を交えたリビングが、それを見事に体現します。リビング階段はパティオを眺めるのに邪魔にならないスケルトン仕様。白い踏み板に黒い手すりが、リビングの色調と調和しています。二階には寝室、ご主人、奥様それぞれの個室、そして子ども部屋が配置されています。一階が白い床板なのに対し、二階はコーヒー色の木目模様。このコントラストが気分を切り替えてくれます。
こだわりのもう一点は、「それぞれの個室は自分たちの好きなように」というポリシーです。たとえば奥様の個室だけは他と異なるグレー基調の床板が敷かれ、アンティーク風のドアや調度が落ち着いた雰囲気を演出。額縁のようなピクチャーウィンドウからは、白いパティオが見下ろせます。ここは誰にも邪魔されない、奥様だけの憩いの場だそうです。ご主人の書斎は寝室の奥。南側にある奥様の個室とは反対の位置にあります。窓からは飯能や秩父の山々が見え、登山好きのご主人も大満足。この書斎で登山計画を存分に練り上げるのが楽しみなご主人、そして奥様にとって、ここは満点の住まいなのです。

PRIVACY×SORA

プライバシーと生活動線に配慮した機能的な住まい

夏になれば中庭で人目を気にせずプール遊び。
上下階とも回廊式の構造はのびのび育児に理想的

共働きのKご夫婦。このまま賃貸に住み続けるのと家を建てるのとでは、長い目で見れば経済的に大きな差はないと考えたのが住まいづくりへの第一歩でした。この土地はホームセンターの眼の前。屋上駐車場へのスロープから見下ろせる位置にあります。そこで設計コンペでは、「プライバシーの確保」「子どもをのびのび育てたい」「家事動線」の3つにこだわりました。

そうして出来上がったお住まいは、建物正面の外壁内側にある中庭のようなスペースが特徴です。この外壁が、外からの目を完璧に防いでくれていることは言うまでもありません。プライバシー確保は、これで万全です。
外壁の下側は天地60㎝ほど開けてありますが、すぐ前は自宅の駐車スペースがあるため奥まった印象。プライバシーを確保しつつ、開放感を生み出しています。夏には中庭に子ども用プールを用意、幼いお嬢様2人が安心して遊ぶことができました。

一階と二階の回廊や、リビングの隅にある柱の内側のちょっとしたスペースも、お子様方の遊び場に。キャラクターのシルエットを彫ったドア、リビングと一体化した和室など、まさにのびのび子育てに最適なお住いになりました。回廊は家事動線としても有効に機能していますが、他にもキッチンと洗濯場、お風呂場を一直線で結んだり、二階の廊下を広く取り、洗濯物を室内干しするスペースとして活用しています。階段下のスペースにもパントリーや収納庫を設置するなど、家事のしやすさを意識した工夫が随所に見られます。二階には他に寝室と子ども部屋があり、子ども部屋は真ん中で仕切って2つの個室にできる仕様です。けれどそれは将来の話。リビングと和室での家族の団らん、柱や回廊をぐるぐると遊び回る幼子たち――そんな穏やかで平和な休日の光景が、今のこの家にはとても似合っているのです。

MINIMAL×SIMPLE

豊かな環境で家族4人が伸び伸びと暮らす家

奇をてらわず、自然体で過ごせる。暮らしにフィットしたわが家

 

中核都市の郊外にある大規模分譲地。それぞれの区画は60坪以上あり、道幅も広くゆったりとした住環境が魅力です。周辺は自然に恵まれ、学校や公園をはじめ公共施設が近くにあることから、最近とくに、豊かな環境の中で子どもの成長を見守りたいと願う子育て世代に注目されています。
M様ご夫妻も、そんな自然環境の豊かさに惹かれて、2人の子どもと暮らすマイホームをこの地に建てることにしました。かつて市営住宅に住んでいたM様ご家族の悩みは、陽当たりと風通しが悪かったこと。それに輪を掛けて、建物の築年数が経っていたため、冬の寒さや夏の暑さに悩まされたそうです。住まいづくりにあたっては陽当たりと風通しを最優先し、清潔感のある明るい住空間と家族みんなで過ごす広いLDKに重きを置きました。
M様邸の土地は約67坪で、東側と西側は道路と歩道に面しています。家屋南面に広々とした庭を配し、隣家との距離は十分に保たれていることから、季節を問わず陽当たりは問題ありません。住まいのスペックは、次世代省エネルギー基準に適合した断熱性能等を備えた長期優良住宅であることから、冬の寒さや夏の暑さの心配は払拭されました。
間取りは、1階を家族みんなの共有スペースに、2階をそれぞれの個室スペースにすっきりと分けました。幼少期から市営住宅で暮らし、これから思春期を迎える子どもたちにとって、自分専用の個室はあこがれでした。そんな長男と長女の部屋を拝見すると、それぞれ5帖分の洋室にはベッドが配されているのみ。勉強机は見当たらず、シンプルかつミニマルな空間です。聞けば1階ダイニングのカウンターテーブルやリビングのテーブルが、宿題や勉強の定位置なのだとか。個室にこもらず家族が一緒に過ごす心地よさを実感できるLDK。親子間・兄妹間の仲のよさもうかがい知れます。

 

GARAGE×MODERN

二階LDKのアイデアで実現した明るく開放的なリビング&インナーガレージ

窓明かりの美しさとモダンな佇まいが「ただいま」と帰ってくる家族を毎日優しく迎えてくれる

 

グレーを基調とした明るめのモノトーンが涼しげなO様邸。
屋根の立体的な形状や、二階の壁に正方形の窓が九つ並んでいるのが、ご夫婦のお気に入りです。ラリーに出場するほどの車好きだというご主人ですが、以前の住まいは賃貸住宅だったため、ご実家に置いたままだった愛車を、念願のガレージに格納できる生活を満喫されています。「インナーガレージにしたことで外観もすっきりしたし、外に車庫を作るのとそれほどコスト的に変わらなかったんですよ」とご主人。室内からガレージに出入りできる間取りも、憧れだったそうです。タイヤ交換などの作業がゆったりできるよう、敷地内はコンクリートでフラットに仕上げました。その一画には、ご夫婦で楽しむというゴルフの練習ができるよう芝生も植えましたが、庭の植栽は必要最低限にして駐車スペースなど実用性を確保しました。
一階の多くの面積をガレージが占めている分、LDKを二階にしたことで、明るく開放的なキッチンとリビングダイニングが実現しました。ご夫婦は、リビングのソファに並んで座ってくつろぐひと時が、何よりお好きなのだとか。
二階には4帖のウォークインクローゼットと、造り付けのカウンターがある広い洗面室を配しました。奥様は「一階にも浴室と脱衣室があるので、洗濯をどこでするか悩みましたが、実際には洗う場所と干す場所が近い方が断然便利でした」と、家事動線の良さに満足されています。室内にはなるべく家具を置きたくなかったというご夫婦の要望に応え、各部屋に造り付け収納が充実しています。「キッチンも、調理器具などを外に出しておかずに済むので、生活感を出さずインテリアをすっきりさせておけるんです」というご夫婦。リビングの開放感を高めている勾配天井と、足元から天井までの縦長の窓は、ご主人からのリクエスト。二階リビングだからこそ実現した形状の窓から、然光がたっぷり降り注ぎます。カウンターやテレビを備え付けた寝室では、窓からの光が不思議な形の影を投げかけ、豊かな表情を見せてくれます。生活の拠点として、お風呂以外は全て二階で完結させました。
一階には、将来子ども部屋として使うことを想定した洋室2つと、モノトーン調のキャラクターをあしらったトイレ。「住まい全体のイメージを崩さない上品さのある壁紙をチョイスしました」と奥様。建築会社と二人三脚で、ガレージのスポットライトやリビングの壁のオブジェなど、室内のインテリアにはご主人が手を加えています。室内の照明も、ブラケット以外のペンダントライトは、全てご夫婦がインターネットで購入するなど、積極的に住まいづくりに参加されました。「夜、帰宅する時に、リビングの縦長の窓からガラス越しに室内の柔らかい明かりが見えると、ホッとします」と微笑むご主人。窓明かりの美しさとモダンな佇まいが、「ただいま」と帰ってくる家族を、毎日優しく迎えてくれる新居となりました。

SMALL×LIBRARY

駅からほど近く、静かな住宅地にK様のお宅はありました。こげ茶とからし色のコントラストが目を引く個性的な外観です。南北に長い敷地には、家を中心に、北に駐車場、南に庭をゆったりと配置しています。

K様邸に一歩足を踏み入れると、無垢の木に囲まれたリラックス空間に、大きな本棚が目にとまります。本が大好き、という奥様の言葉からうまれた図書スペース。そこには、夫妻の思いがたくさん詰まっていました。

「子どもがすぐ手に取れるように表紙が見える絵本棚がほしい」

「その棚の奥には大容量の本が収納できるように」

「本棚の下段は子どもが本を出しやすいように斜めに」

建築会社と打ち合わせを重ねてできた「小さな図書館」は、本を読んだり、勉強したり、絵を描いたり。そして疲れたらソファでゴロンとする、家族の安らぎの空間になりました。そして開放感あふれる畳リビング。K様が惚れ込んだ「ガラリ戸」(網戸)からは、広々とした芝生の庭とカツラの木が目に飛び込んできます。ガラリ戸の格子がアクセントになり、景色がデザイン画のように映ります。フルオープンにすると庭と一体化する開放感。シンボルツリーを中心に、家をL字に配置した意味がわかります。ガラリ戸からは光と風が入り、平屋の住まいを新鮮な空気で満たしてくれます。

当初から平屋をご希望だったK様。敷地のわりにはコンパクトですが、「住んでみるとちょうどよい大きさなんですよ」とのこと。実際より広く感じるのは、間取りの工夫もありました。LDKを中心に、水まわり、子ども部屋、寝室と回遊式の動線にして空間に無駄がありません。またクローゼット、室内物干し場、屋外物干し場を並列し、洗濯物の「干す」「しまう」を同じ場所で行える工夫もされています。

自分たちにとって幸せなもの、快適なものを、よく考えられたK様。楽しい、気持ちのいい住まいはK様一家の安らぎの場所になることでしょう。

NATURAL×PRIVACY

広々としたテラスのある明るいリビング

閑静な住宅街の中に、白い壁と木の印象的なコントラストが美しいT様邸が現れます。ご夫婦は、アウトドアがご趣味の活動的なお二人。都心へお勤めのご主人は、駅へ徒歩5分、またご実家へのアクセスも比較的近いということ、また周辺の環境が気に入り、この土地を選ばれたとのこと。当初はログハウスのような家を思い描かれていたとのことです。

自然への想いを強く志向されるお二人でしたが、住まいづくりを進めていく中で、必ずしも自然の木や漆喰といった、ナチュラルな自然素材そのものが自分たちの求めているものだというわけではない、といった気づきがあったそうです。自然素材そのものを使うのではなくても、家のそこここに、さりげない形で感じられる、自然の息吹や溢れるひかりにお二人の自然を愛する気持ちが伝わってくるお宅です。

スッキリとあまり生活感を出さないように豊富な収納を用意し、動線を回廊型に確保することで、とても暮らしやすいお住まいに仕上がっています。まず、光を十分に確保するためにリビングを2階にもっていき、生活の中心を2階にしました。1階には寝室と、将来のための子ども部屋、玄関スペースは、趣味のアウトドアグッズなどを収納するスペースを確保しながらもお客様とプライベートとの動線を分離することで、いつでもお客様を迎え入れる事ができます。2階はリビングから段差のない広大なテラスを確保。陽光を存分に採り入れながらも高い壁によってプライバシーも確保。リビング周りから、キッチン、洗面所、お風呂、と回廊型につながり生活導線も考えられています。

NAKANIWA×KONOJI

プライバシーとセキュリティにも十分に配慮

広々とした青空の下、静かで落ちついた一画に建つT様邸は、印象的なコの字型の趣深い平屋建てです。

こだわりとしては、外には防犯・安全上しっかりしていながらも、内には開放的であること。一見矛盾するような感じがしますが、T様邸は、まさにその二点を兼ね備えていました。もともと田んぼだった土地のため、近くに水路があり、お子様たちの安全にも配慮して、しっかりフェンスでガード。光の降り注ぐリビングも、外からの視線が気にならないような工夫がさまざまになされています。また、家の中の動線や収納スペースも考え抜かれており、洗濯機から物干し部屋へとすぐにつながる作りや、キッチンに併設された、非常にたっぷりとしたパントリー、玄関のシューズクローゼットや寝室に併設したウォークインクローゼットなど、どれも十分な広さを備えています。奥様は、「洗濯して干すのに、とても楽ですね」ととても満足そうです。また、キッチンは対面式のカウンターがあり、お子様の勉強を見ながら家事もできます。あえて大きなダイニングテーブルを置かずにすむため、とても広々とした印象です。「この光に溢れたリビングにくつろいでいるのが、いまのところ一番のお気に入りですね」とご主人は本当に満足そう。活発なお子様たちは、子ども部屋とキッチンとを行ったり来たり。ご主人は、中庭を芝にして、バーベキューをやったり、ビニールプールなどを置いたりすることを計画中。きっとお子様達は、大喜びすることでしょう。また、広い敷地内で家庭菜園の計画も。ご家族の明るい未来がどんどん形になっていく家になることでしょう。

DOMA×WA

建具や造作家具までこだわった美しい内装の住まい

建売住宅を購入し、およそ10年間暮らしたH様ご家族。3人のお子さんの成長とともに手狭となり、同時に間取りなど生活動線にストレスを感じていたそうです。職場から歩いて数分の住宅地に新居を建てることにしました。「家づくりのテーマは『家族が団らんできる家』でした。それまでの家は狭くて使い勝手が悪く、家族5人と4匹の犬がゆったりと過ごせる場所がなかったからです」と奥様は話します。H様邸の家づくりは、これまで住んだ家の住みづらい点を改善していくことからスタートしました。その指針となったのが奥様お手製の「家づくりノート」です。住宅雑誌やウェブサイトで気になった写真を切り貼りしたり、好みに合った部材や建材、住宅設備の詳細をずらり書き込んだもの。ガラスやタイル、壁材などこだわりは細部まで及びます。極めつきは奥様が手書きした「平面図」です。設計士が描くそれと寸分違わず、50分の1と100分の1の2つのスケールで描きました。これを工務店の設計士に初めて見せたとき、担当者は思わず息を飲んだとか。聞けば、およそ100枚は仕上げたというから驚きです。「家族の暮らしをイメージしつつ平面図を描くことで、生活動線が導き出せます。すると、間取りのどこに重きを置くべきかなど、優先順位がはっきりしました。例えば、玄関の位置を変えただけでも生活動線が一変するので、いかに具体的なイメージとして落とし込めるかがポイントです。ちなみに、一番頭を悩ませたのは階段の位置でした」

最終的には「家づくりノート」のイメージに一番合っていた工務店を選んだといいます。「幸運だったのは工務店の設計士さんと家に対する価値観やイメージが一致したことでした。専門家との家づくりはとても楽しく、充実した時間でした」

家づくりを存分に楽しんだH様邸は、住み心地も格別です。

WA×KAZE

門塀から敷石まで伝統的な日本のたたずまい

広い敷地に落ち着いた佇まいで建つ和風建築のM様邸は、伝統的で、端正で、どっしりとした、日本の伝統的な住居文化を現代に甦らせたようなユニークなお住まいです。

和風建築への強い想いがおありで、単に見た目が和風というだけでなく、大黒柱・檜の柱と白い漆喰の壁という、和風建築ならではのポイントもしっかりおさえていらっしゃいます。美しい畳と、白い壁、障子、木目の美しい柱、という和風の粋をこらしたお宅は、他のお宅にはない、独自の安らぎと落ち着きが感じられます。左右で表情を変える外観もユニークです。

ご主人の求める家の原風景は、東北の花巻の作家、宮沢賢治の生家のイメージでした。その外観への想いがまずあったそうです。ただ、古民家をそのまま造ることは建築法などの点から難しく、さまざまな現代的なアレンジが入りましたが、ご主人としては、「なるほど、こういう形になるのか」と満足そうです。「とにかく風の通る家にしたかった」と奥様はおっしゃいます。遊び心あふれるのぞき窓から自然に風が流れるなど、機能と和の美和の伝統に深く根ざし、落ち着いた美意識のもと開かれた寛ぎと落ち着きを両立させた構造です。また、琴とお茶を習われているお嬢さんのために、本格的な茶室も設えられ、日本の建築文化を深く体現している現代の住宅となっています。ご主人が一人になるためのスペースとして、隠し部屋的な空間があったり、障子やブラインドによって風景がさまざまに変化して楽しめるのも日本文化の伝統をしっかりと引き継いでいるポイントでしょう。要所要所に、さまざまなアクセントや技術が光っています。
日本の文化と伝統を大事にされるご家族の美意識が、とても素敵に反映されたお宅です。

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