MUKU×NUKU

木のぬくもりあるリビング、空の見える浴室など自然を感じる住まい

まるで一本の大きな木のよう。ゆるやかな傾斜地にそびえ立つように三層と二層部分で構成されたT様邸は、幹が太く、どっしりと根を張った大樹のような存在感です。

「祖父母の家は大工さんが建てた昔ながらの木の家で、子供の頃によく過ごしたその家に思い入れがあって、木の家で暮らしたいという思いがあったんです」というご主人が住まいづくりのパートナーに選んだのは、木の特性を生かし、伝統的な木組み架構で家づくりをする建築会社。「飯能の山に行って、わが家に使う杉の切り出しを体験させてもらいました。ほかにも使う木材を見せてもらって、これがすべて自分の家に使われるのかと思うと感慨深かったです」。

T様邸は、半地下にガレージと収納、一階にリビングと続き間の和室、三段上がったスキップフロアにダイニングキッチン、二階に子供部屋、納戸、寝室、浴室とサニタリールームという間取り。中でもご主人が一番こだわったのは、小さな庭を含めた一体感のある1 階の空間造り。リビングを中心に和室とダイニングを間仕切りなしでつなげることでどこにいても人の気配が感じれて大人数集まってもゆっくりくつろげるようになっています。「家族や友人達が集まれることを大事にしたいんです。うちは親族の集まりも多いんですが今は子供が増えてゆっくり出来る場所がないので自分たちの家で作ろう、と。子供達が小さいうちから交流してそれが大人になっても続くようにと言う願いを込めて。」大勢の人がいてもゆったり過ごせるのは、面積の広さだけではなく、天井高2m90㎝という空間の広がりによるもの。天井は太い丸太や梁が見える“あらわし”で、木組みの造形美を感じられる空間となっています。

リビングと続き間の和室の仕切りに使われているのは八寸の杉の大黒柱。「最初の設計ではもっと細い柱の予定だったのですが、見学させていただいたお木の性質を見極め切り出し、木取りし、組む。職人だけが造れる家宅に使われていたこの柱に魅せられて替えていただきました」。

構造上必要な部分以外はほとんどが杉の無垢材というT様邸では、二階の子供部屋のあらわし天井やバルコニーに節の多い部分が使われるなど、適材適所という考え方で、余すところなく木取りされています。「家の中のどこというより、この建築会社を選んだことが一番自分たちらしいと言えるかもしれません」と話すご主人。両者の思いが込められたこの住まいは、大きな木に抱かれているように優しく、温かく、ご家族を包んでくれることでしょう。

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