前回は住宅性能表示制度についてお話ししました。
住宅才能表示制度とは国から認定を受けた第三者機関が、
住宅の性能を「評価方法基準」という共通の基準を用いて評価します。
簡単にいうと「住宅の通信簿」を開示できる制度です。
今回は、住宅性能表示制度のメリット、デメリットについてお話します。
まずメリットについてです。
○専門的な知識がなくても希望を伝えられる
住宅性能表示制度では、住宅の各性能を項目ごとに分けて、具体的な基準を等級で区分しています。
そのため、専門的な知識がなくても、この等級を用いて、
設計者や施工者に各性能の希望を伝えることができます。
○地震保険の割引、住宅ローンの金利優遇がある
住宅性能評価を受けた住宅には、様々な優遇制度があります。
例えば、耐震性の等級に応じて、地震保険の割引を受け、等級が高ければ高いほど割引率が上がります。
また、住宅性能評価を受けた住宅は金融機関から住宅ローンの金利の優遇を受けることもできます。
○住宅に関するトラブルの解決対応が利用できる
住宅性能評価を受けた住宅では、万が一住宅のトラブルで売主と買主の争いになった場合、
指定紛争処理機関に紛争処理を申請することができます。
指定紛争処理機関は弁護士会の専門家で構成されており、
手数料1万円だけで、紛争の解決に対応してくれます。
次にデメリットについても紹介します。
○等級を上げることで建築コストが上がる
住宅の各性能の等級を上げるには勿論、建築コストが掛かります。
仮に各性能の等級が最上級の住宅を建てようと思っても、建築コストが著しく掛かってしまいます。
そのための対策としては、各等級の基準を理解して、どこまでの等級で充分なのかを決めること、
環境・ライフスタイルを踏まえて、何の項目を重視すべきか考えることが大切です。
○「住宅性能評価を受けた住宅=不具合がおきない住宅」ではない
住宅性能評価では、評価対象が必須項目と選択項目に分かれています。
評価対象にした項目のみ調査をするので、調査しない部分は保証できません。
「住宅性能評価を受けたから安心」と過信しないようにしましょう。
また、家を建ててからの保証はないので、定期メンテナンスなど
アフターケアが充実しているハウスメーカーや工務店を選ぶことをオススメします。
いかがでしょうか。
家を建てる前に知っていると、便利な制度ですが、
この制度に過剰に頼らず利用することが重要なポイントになります。
次回は住宅性能評価の各項目についてご説明します。